社会人になって久しぶりにTOEICの英語を勉強することになったけれど、英単語を覚えることが苦手。
英単語帳を買って少しやってみたものの「こんなにたくさん覚えられない!」と単語の暗記で既に挫折しかかってませんか?
ここでは、英単語を覚えることが苦手な方でも、1か月で900語以上を確実に覚えることができる方法について解説していきます。
Contents
手持ちの単語帳は大丈夫?TOEIC対策に適した単語帳の条件
英単語の覚え方を知りたくてこのページへ来てくださったあなたは、おそらくすでに英単語帳を持っているかと思います。
しかし、英単語をしっかり覚え、さらにはTOEICで良い点数を取るためには「あなたの持っている単語帳が次の3つの条件」を満たす必要があります。
それらは、「音声がついていること」「例文があること」「TOEIC用の単語帳であること」です。以下、詳しく説明していきますので、あなたの持っている単語帳は大丈夫かチェックしてみてください。
単語帳にCDやMP3などネイティブの音声がついていること
英単語を覚える上で、「単語帳に音声がついていること」は絶対に必要です。
なぜなら、繰り返し何度も聞いたり、見たりしたものは覚えやすくなるからです。
例えば、毎朝電車通勤している人であれば、電車の発車メロディーの音が耳に残っていて、メロディーを口ずさむことができるのではないでしょうか。
また、英語は「単語のスペル」と「実際の発音」が異なる場合が多々あるので、リスニング対策としても音声は絶対に必要になります。
例えば、コーヒーに含まれる「caffeine」ですが、スペル通り読めば「カフェイン」ですよね? しかし実際にネイティブが発音すると「キャフィーン」のように聞こえます。
「カフェイン」と思っていたものが、「キャフィーン」のように聞こえたら、リスニングで聞き取ることはかなり難しくなります。
ですから、英単語を覚える上でも、リスニング対策としても必ず音声は必要になります
単語帳に例文が掲載されていること
例文は、覚えにくい単語を覚えたいときに、特に大きな助けになることが多いです。
なぜなら、例文によりその状況をイメージしやすくなり、状況のイメージがあると記憶に残りやすいからです。
例えば、「side by side(並んで)」という語を覚えることを考えてみます。
これを声に出しながら「side by side=並んで、side by side=並んで、side by side=並んで…」と何回か単純に繰り返しつぶやいて、覚えやすく感じるでしょうか?
それよりも、They are walking side by side.(彼女たちは並んで歩いている) のような例文があり、頭の中で例文の状況を下の写真のようにイメージしながら覚えた方が、記憶に残りやすくなります。
このとき、例文を覚える必要はなく、あくまでこの状況をイメージしながら、「彼女たちは「side by side」で歩いている」と覚えたい個所のみ英語にして繰り返しつぶやくようにします。
そして、「side by sideとは、このような状況なんだ!」とそのイメージを大切にしてください。
↓↓They are walking side by side.(彼女たちは「side by side」で歩いている)
このように、例文の状況を頭の中でイメージ化すると記憶に残りやすくなるため、例文は単語を覚えるために大きな助けとなってくれます。
TOEIC用の単語帳を使うこと
これは、英単語を覚えるために必要というよりは、TOEICで少しでも効率よく良い点を取るために必要な条件となりますが、単語帳は大学受験などで利用したものではなく、TOEIC用の単語帳を使うことが重要です。
なぜなら、TOEICに出てくる単語は、仮にあなたが今知っている単語でも別の意味で出てくる場合があるし、ビジネスに関連した用語も多く出てくるからです。
例えば、moveといえば「動く」という意味ですが、TOEICでは「引っ越す、(オフィスなど)を移転する」という意味で使われることがほとんどです。
また、inventory(在庫)、agreement(契約書)といった単語も過去に出題されていますが、これらは明らかにビジネスで使われる用語ですね。
このため、TOEICで英単語を効率よく覚えて良い点数を取るために、単語帳はTOEIC用のものを使うべきです。
ちなみに私は「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ(通称、金フレ)」という単語帳を使っています。
TOEICに出てくる英単語の覚え方のコツ
TOEICに出てくる英単語を覚えるためには、いくつかのコツがあります。これらのコツを使って英単語を覚えて行くと記憶に残りやすく、しっかりと覚えて行くことが出来ます。
ですから最初に、英単語の覚え方のコツを解説してから、具体的にどのように覚えて行くのかを動画で説明します。
イメージすることで圧倒的に覚えやすくなる
英単語を覚えるとき、とにかくイメージ化(視覚化)すると覚えやすくなります。上では「例文を用いたイメージ化」の話をしましたが、ここでは、例文を用いる以外で私がやっているイメージ化して覚えやすくするコツを2つ教えます。
何かと関連付けてイメージする
英単語を覚えるときに、すでに自分の知っている何かと関連付けて覚えると、とても楽に覚えられることが多いです。
なぜなら、人間は何かきっかけがあれば、思い出しやすくなるからです。クイズでもヒントがあれば答えを見つけやすくなりますよね?
例えば、TOEICにこれまで実際に出題された「inn」や「tenant」という単語を覚える場合を考えてみます。これら2つの単語ってどこかで見覚えありませんか?
東横INNは、駅の近くでよく見かけるホテルですね。このINNがまさに「(小さな)ホテル」という意味です。
ですから、「inn」という単語を知らなくても、東横INNのことを思い出せば、inn=ホテルと芋づる式に意味を引っ張り出してくることが出来ます。
同様に「テナント募集」の「テナント」とはまさに「tenant」のことですが、この張り紙は決まって空き家や建物の空き部屋に貼ってありますよね? つまり、空き家や空き部屋が募集するものと言えば「入居者」です。テナント募集=tenant募集=入居者募集ということです。
このように、自分の知っている事と関連付けて覚えておくと、意味を他から引っ張り出すことができるため、比較的楽に覚えることが出来ます。
単語を勉強しているときに自分がすでに知っている何かと関連付けられないか? ということを常に意識してみてください。
画像検索をしてイメージする
画像検索とは、YahooやGoogleなどの検索エンジンで何かを検索するときに、その検索したキーワードの画像を検索結果に出すことです。
画像検索を使えば、その単語の具体的なイメージをつかみたいときに、特にとても役立ちます。
例えば、「cubicle(個別の作業スペース)」という単語を覚える場合を考えてみます。「個別の作業スペース」って言われても具体的にどんな感じなのか? イマイチピンと来ないのではないでしょうか?
こんなときに下記の写真のように画像検索をしてみます。
一番右の写真、黄色の丸枠なんかが特にイメージしやすいのではないでしょうか? 「仕切りに区切られた個別のスペース」ということがよくわかりますね!
このように、具体的にどんな感じなんだろう? って思ったときに画像検索を使います。そしてその写真を見て、英単語をつぶやきながら覚えようとすると記憶に残りやすくなります。
語源から単語の意味を予想する
語源とは、「その語が持っている本来の意味」ということです。語源を知っておくと英単語をとても覚えやすくなる上、初めて出会った単語でも意味を推測できるようになります。
例えば、TOEICで頻出の「reschedule」という単語ですが、「re」には「再び、反対」という意味があります。
schedule(スケジュール)は、「予定を立てる(入れる)」という意味で、日本語でも「スケジュール帳」って言いますね。
ですから「re」と「schedule」を組み合わせた「reschedule」とは、「再び予定を入れる」ということです。そこから、「予定を再調整する、予定を変更する」といった意味になります。
また、「return」という単語は中学校で習う単語だと思いますが 「re(反対に)+turn(曲がる)」は、「(今まで来た方向と)反対方向へ曲がる」ということから「戻る」という意味になります。
このように語源を知っておくと単語の意味を覚えやすく、初めて見た単語でも意味を推測できるようになります。
語源の本は書店でも数冊売られていますし、下記URLのページでも語源を知ることができますので、語源を使えば覚えやすい単語は、語源から覚えると効率的です。
短期間に集中して繰り返し単語を「見る・聴く・発音する」
英単語を確実に自分のものにするためには、上述の「イメージや語源」を使いながら、短期間に1冊の単語帳を最低6回は繰り返しやることが必要です。
なぜなら、短期間で繰り返し聴いたり見たりしたことや発音したものは、脳が重要な情報としてとらえ、記憶してくれるからです。
例えば、あなたは今、自分のスマートフォンの番号をスラスラと言えると思います。それはどのように覚えたでしょうか?
おそらくスマホ購入直後は言えなかったけど、「番号を見て確認しながら数人の知り合いや友人に伝える」ということを何度か繰り返していたら、いつのまにか勝手に何も見ないで言えるようになっていたと思います。
英単語を覚えるのも基本的にこれと同じ原理で「とにかく繰り返す」ことです。
具体的には、1日に覚える単語は、100~200語を目安にすると良いです。覚えると言っても1回で完璧に覚える必要はありません。うろ覚えで大丈夫です。
とりあえず単語の意味とそのイメージが頭の中でしっかり描けて、5秒後も忘れずに覚えているぞ!って思えたら、それでOKです。
例えば私の場合、1000単語を覚えるのに1日目(1~200語)、2日目(201~400語)、3日目(401~600語)…というように5日で1000語をやりました。つまり5日で1周目が完了。そしたら2周目、3周目とやっていき、6周しました。つまり5日×6周=30日(約1か月)です。
このようにすると約1か月で6回同じ単語に目を通すことになります。このくらいやると一気に英単語を覚えられ、あなたの単語力が確実にアップします。
私の体験談ですが、これくらい繰り返しやったら夢にまで英単語がでてきたり、歩いているときなどふとした時に、なぜか単語が急に頭に思い浮かぶようになったりしました。
そして、実際にこの方法で1か月で900語以上覚えることが出来ました。残念ながらどうしても覚えられない単語が100語ほどありましたが、そのようなものは、その覚えられなかった単語のみをもう2,3回繰り返せば覚えることが出来ます。
このように、英単語を覚えるには「短期間に何度も繰り返す」ことがとても大切です。
1単語につき、1つの意味だけ覚える
単語帳を見ると1単語につき様々な意味があることがわかると思いますが、TOEIC800点くらいまでなら1単語につき1つの意味を覚えるだけで問題ありません。
なぜなら、1度に多くの意味を覚えようとすると、覚える量が増えるため逆になかなか覚えることが出来なくなるからです。
シンプルに1単語につき1つの意味だけ覚えた方が圧倒的に早く覚えることができますし、1つの意味をしっかり覚えておけばある程度、応用も効きます。
例えば、私の使っている単語帳(金のフレーズ)だと、「unavailable=利用できない、手が空いていない」となっていますが、私は「利用できない」としか覚えていません。
実際に、TOEIC公式問題集に下記の文があります。
Ms.Srisati is unavailable today because she is flying to Mumbai.
直訳すると「Srisatiさんはムンバイへ飛んでいるところなので、今日Srisatiさんは利用できない」となり日本語的にはちょっと変ですね。
でも「飛行機で移動中で、Srisatiさんは利用できない」ってことは、要するに飛行中なんですから、彼女は今日は(会うとか話すなどの)時間がない、都合がつかない、手が空いてないってニュアンスの意味になることは想像できますよね?
ですから、1単語につき1つの意味を知っておくだけでも、想像力を働かせることによって応用が十分効くので、それだけであなたの単語力は大きくアップします。
英単語の覚え方の具体的なやり方
実は英単語を覚えるのに、記憶力が良いとか悪いとかは、あまり関係ありません。才能も関係ありません。
必要なのは、「自分は絶対に覚えられる!」と信じて、単語をイメージしながら何度も繰り返し覚えなおすことです。繰り返し何度もやるだけで、確実に覚えて行くことが出来ます。
ここでは私が実際にどのような流れで英単語を覚えているのか? その具体的なやり方について動画で解説します。
※スマートフォンで撮影しているため、一部音声が途切れている場面や聞き取りづらい個所、見にくい個所も少しありますが、ご容赦ください。
下記の「英単語の覚え方」フローチャートもご参照ください。ダウンロード(右クリック後、名前を付けてリンク先を保存)もできますので、最初はこのフローチャートをプリントアウトして手元で見ながら覚え方の流れをつかんでください。
英単語を覚える上で勘違いしやすい注意点
ここでは英単語を覚える上で、よくありがちな勘違いしやすいことを3点あげておきます。これらは実際に私が単語の覚え方を意識せずに勉強していたころに、やっていたこと(思っていたこと)でもあります。
たった2,3回の反復で覚えられないのは当たり前
自分が興味ある分野でない限り、一度にたくさんのことをたった2,3回の反復で覚えることは難しいです。ですから、2,3回で覚えられることはまれで、6回、7回もしくはそれ以上反復してはじめて、英単語は覚えられるものということを忘れないでください。
例えば、取引先の人と初めて会うときのことを思い出してみてください。 相手の笑顔が素敵、優しそう、イケメン(もしくは可愛い)、共通の趣味を持っていた、など何かとても魅力的な特徴がある人だと、1、2回会っただけで相手の名前を覚えてしまわないでしょうか?
逆に、あまり特徴もなく自分のタイプでもない人であれば、1、2回会っただけでは「えーっと以前、名前聞いたけど、何だっけ?」と思いながら、もらった名刺を何度か繰り返し確認。やっとのことで相手の名前を覚えたという経験があると思います。
英単語もこれと同じで、やはり覚えるには最低6回くらいは繰り返す必要があります。ですから、仮に2,3回やって覚えられなくても、あせる必要もイライラする必要もありません。単に繰り返しやる回数が足りないだけです。
1日にコツコツと少しずつ確実に覚えていくのはダメ
英単語は短期集中で、例えば1日200語(5日で1000語)などを一気に繰り返しやるべきです。暗記が苦手だからといって1日に30語ずつなど少しずつ確実に覚えて行くやり方はおすすめしません。
なぜなら、1日で確実に30語覚えたと思っても、2,3日後にはほとんど忘れてしまうからです。結局、単語を覚えるためには、「覚える→忘れる→確認して思い出す→再び覚える」というこのサイクルを何度も繰り返すことです。
例えば、取引先と大事な打ち合わせの予定が入ったときのことを思い浮かべてください。このとき、相手の言った日時や場所を1字1句間違いのないようしっかりと正確に集中して聞き取り、さらには復唱までして確認しますよね。
しかし数日後、例え日にちや場所はある程度覚えていても、「時間は午後だったけど、具体的に何時だっけ?」と思ってスケジュール帳を確認した経験はあるのではないでしょうか?
このように、集中して聞き取り復唱までして、そのとき確実に覚えたと思っても、やはり時間がたつと忘れてしまいます。ですから、1日に30語など少ない語数を確実にコツコツと覚えて行っても結局は忘れます。
また、「1日200語をやり、5日で1000語」のように一気に多くの単語をやると、とても良いメリットがあります。
それは、短期間で幅広く英単語に触れるため、他の問題集をやっているときなどに「単語帳で確かこの単語覚えた気がするけどなんて意味だっけ?」とか「この単語、単語帳にもあった気がする」という感じで記憶がよみがえることです。
そして、そのときに再度単語帳で意味をチェックすると、すぐに意味を覚えられることも多いです。
「単語帳で学んだ単語が、別のところで出てくると、意外とすぐに意味が覚えられる」ということは、私の体験上結構あります。これは意外と大きなメリットであると私は思っています。
ですから、英単語を覚えるときは、1日にコツコツと少しずつ確実に覚えて行くのではなく、短期間に集中して一気に1日100~200語(約1か月1000語)を繰り返し覚えて行くということがおすすめです。
※1日200語といっても、例えば朝100語、仕事から帰ってきてすぐに50語、晩飯後に50語といったように分けても大丈夫です。実際に私は分けてやっています。
書いて覚えるのは時間の無駄
英単語を書いて覚えるのはTOEICの場合、時間の無駄になるのでやめるべきです。
なぜなら、TOEIC L&Rは解答が全てマークシート方式なので、試験で単語を書くことはありません。さらに書かなくても覚えることは可能だからです。
例えば、あなたは自分のスマートフォンの電話番号や友達の名前を繰り返し何度も書いて覚えましたか? 書かなくても覚えましたよね?
これと同じで、単語を書かなくても繰り返し「見ること・聴くこと・発音すること」をすれば、意味は覚えることができます。ですから、わざわざ書いて覚えるのはTOEICの場合、時間の無駄になるので絶対にやめるべきです。
「本当にこのやり方で覚えられるの?」という不安なあなたへ
おそらく今あなたは「このやり方で本当に覚えられるの? 1日で100~200語をやり、1か月という短期で覚えることは、暗記が苦手な私には絶対無理!」 と思ってるかもしれません。
でも安心してください。私がこのやり方をはじめたとき今のあなたと同じように、「自分には厳しそう」、「1日で100~200語なんてやったこともないから無理!」って思ってました。
ところが実際やっていただけるとわかりますが、覚えるのが苦手なんて全く関係なく、しっかり覚えることができます。
なぜなら、私自身が覚えるのが苦手だったにもかかわらず、「確実に覚えた単語量が増えた!」と、日々問題を解きながら実感できたからです。
しかも短期間で繰り返し同じ単語を何度も見ているので、夢にまで単語がでてきたり、ふとしたときにその日勉強した単語が頭をよぎったりしました。
なんでこんなに単語がふとしたときに頭の中から出てくるのだろうか? とちょっとびっくりしたほどです。
そしてこのやり方をやって、もう一ついいことがありました。それは「覚える」ということに対して自信を持てるようになったことです。
以前の私でしたら「たくさんの単語を覚えなくちゃ」と思っただけで、絶望していました。なぜなら「私は覚えることが苦手だから覚えられない!」という認識があり、やる前からほぼあきらめモードだったからです。
それがこの方法を頑張ってやり続けた結果、しっかりと1か月で900語以上覚えられ、自分でも覚えられるんだ!という自信がつきました。実はそのことが今でも自分の宝物の一つだと思っています。
ですから、ぜひこのやり方を信じてやってみてください。2,3周目ではまだ覚えている単語が少なく不安になるかもしれません。でも5,6周目に入ると大分記憶に残る単語が増えて行きます。
そして覚えるのが苦手なんて関係ないことがわかるはずです。
まとめ
①英単語を覚えるためのコツは、その単語の意味をイメージしながら、覚えようとすること
②短期集中で1冊の英単語帳を最低6回は繰り返しやること
(おすすめは1か月で1000語を覚えるために1日200語)